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【FP監修】切迫早産の入院費を抑えるには?[かかったお金・使える制度]

こんにちは。

切迫早産入院生活も1ヶ目が終わり、11月分の請求書を受け取りました。
事前に概算して心構えはしていましたが、それでもいざ金額を目にするとギョッとしますね…

入院費を抑えるには?切迫早産入院でかかったお金・使える制度

[診療費請求書兼領収書の見方]


病院によって形式は多少違うこともありますが、こんな感じの書類がもらえます↓

診療費請求書兼領収書

埼玉県(医療費の内容の分かる領収証の交付について)

まず、黄色い枠の箇所には、入院期間が書いてあります。
私は11月4日に入院してまだ退院していないので、請求期間は11月4日〜11月30日の27日間でした。

・保険適用の負担

青い枠の箇所には、公的保険が適用される医療費についての内訳が記載されています。

色々項目はありますが、切迫早産での入院で加算されていたのは以下の5つの項目です。

①入院料等 ②検査 ③投薬 ④注射 ⑤食事療養
28442点 3671点 312点 12522点 40480点

点数で表示されていますが、これは①〜④の項目については1点=10円です。

順に見ていきましょう。

①入院料等

これは入院1日につきかかるものです。
病院の規模や体制によって異なりますが、概ね1日あたり1000点(1万円)くらいです。

私は産婦人科の個人病院に入院していますが、MFICUのある急性期の病院だともう少しお高いようです。

27日間の入院で28442点(28万4420円)でした。

②検査

血液化学検査、超音波検査、ノンストレステストあたりがこの項目に含まれます。

マグセントを点滴しているので、血中濃度を調べるために2日に1回血液検査されます。あと貧血の検査も週1日。

入院中は基本週1回、診察(妊婦健診or普通の診察)があります。このとき毎回頚管長を測るために超音波検査があります。
あとは張りが強い時に急遽診察になることも。

ノンストレステストは週3回までは保険適用とのこと。

ノンストレステストは入院中の患者に対して行った場合には1週間につき3回、入院中の患者以外の患者に対して行った場合には1週間につき1回に限り算定できる。なお、1週間の計算は暦週による。

D219 ノンストレステスト(一連につき)

ということは、週3回を超える分は保険適用外です…

27日間の入院で3671点(3万6710円)でした。

③投薬

リトドリンの点滴を始めてから貧血になったので、鉄剤(リオナ)を処方されていました。
それでも進行が止まらず、途中からファインジェクトという点滴タイプの鉄剤に変更になったので、2週間分です。

あとは環境の変化と、ベッド上の安静生活でどうしても便秘になりがちなので、4週間分の酸化マグネシウム(マグミット)を処方してもらっています。

27日間の入院で312点(3120円)でした。

④注射

入院中は張り止めを24時間点滴をしているので、1日あたりの点数と、薬剤の点数がここに含まれます。

最初はリトドリンのみで、入院4週目からマグセントも追加になりました。
リトドリンが1アンプル500円くらい、マグセントが1瓶で2,500円くらいです。

27日間の入院で12252点(12万2520円)でした。

ここまでの4項目で44947点(44万9470円)です。
かなり高額になりますが、この①〜④の部分は後ほどご紹介する高額療養費制度が使えるので、全額自己負担ではありません。

⑤食事療養

1食506円×80食(1日3食×27日-入院日の朝食)=4万480円です。

こちらも全額自己負担ではなくて、所得に応じて自己負担額が決められています。
一般の方であれば1食あたり460円です。

1食あたり460円×80食=3万6800円が自己負担の金額でした。

・保険適用外の負担

赤い枠の箇所には、公的保険が適用されない医療費についての内訳が記載されています。

⑥評価療養・選定療養 ⑦その他
96500 32950

⑥評価療養・選定療養

こちらは差額ベッド代になります。総合病院で差額ベッド代のかからない大部屋に入院されている方であればこの部分の負担はありません。

私の場合、産婦人科の個人病院だったので問答無用で差額ベッド代のかかる部屋でした…

27日間の入院で9万6500円でした。

よくよく調べた結果、不当請求であることが判明!
病院と交渉した結果、この部分は払わなくて良いことになりました

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⑦その他

こちらは入院中に受けた妊婦健診(2回)の自己負担分と、「制限回数を超える医療行為」が含まれます。

妊婦健診については、入院中でも市の助成券は使えました。使ってもはみ出すので、その分がこちらに含まれています。

「制限回数を超える医療行為」は、ノンストレステストについてです。②検査の項目でもお話した通り、入院中のノンストレステストは週3回までしか保険が適用されません。

私の場合は、毎日1日3回ノンストレステストを受けているので、制限回数をはみ出していますね。

27日間の入院で合わせて3万2950円でした。

[高額療養費制度]


①〜④の項目で44万9470円でしたが、この部分の自己負担額はご自身の所得によって異なります。

高額な医療費を支払ったときは高額療養費で払い戻しが受けられます。 高額療養費とは、同一月(1日から月末まで)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、 一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、あとで払い戻される制度です。 医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利です。

全国健康保険協会 高額な医療費を支払ったとき(高額療養費)

標準報酬月額によって、ア〜オの5つの区分に分けられます。
標準報酬月額は、月々の基本給や手当などから算出されるものです。

勤務先に遠い合わせてもよいですし、毎月支払う社会保険料はこの標準報酬月額を元に計算されているので、給与明細を見ればご自身の標準報酬月額が分かります。

給与明細の厚生年金の欄に記載されている金額を入力すると、標準報酬月額が計算できます↓

・標準報酬月額の計算

・標準報酬月額の計算

÷0.0915


標準報酬月額: -

※厚生年金保険料は、標準報酬月額の18.3%です。これを労働者と使用者とで半分ずつ負担します。
給与明細に記載されているのは労使折半後の金額なので、9.15%で割ると標準報酬月額を逆算することができます。

所得区分 標準報酬月額
区分ア 83万円〜
区分イ 53万円〜79万円
区分ウ 28万円〜50万円
区分エ 〜26万円
区分オ 住民税非課税

・自己負担限度額は?

ご自身の標準報酬月額を元に、区分を確認してみてください。ご参考までに私の場合の入院費(44万9470円)について、自己負担限度額を計算してみると以下の表の通りです。

所得区分 自己負担限度額 多数該当
区分ア 25万2600円 14万100円
区分イ 16万7400円 9万3000円
区分ウ 8万1925円 4万4000円
区分エ 5万7600円 4万4000円
区分オ 3万5400円 2万4600円

※多数該当というのは、限度額を超える月が1年間で3ヶ月以上あった場合、 4ヶ月目から更に自己負担額が減る制度です。
4ヶ月以上の長期入院の場合や、妊娠悪阻でも入院していて合計4ヶ月以上の入院になった場合などにこの制度が適用されます。

限度額適用認定証の申請を!

後から高額療養費の払い戻しを受けることもできますが、払い戻しには3ヶ月以上かかってしまいます。クレジットカードで支払れば数千ポイント貯まるのがメリットではありますが。

1回全額負担するのは…という方は、入院が決まったら早目に限度額適用認定証を申請しておくことをおすすめします。切迫早産の入院は長期になることが多いと思うので、入院してからでも間に合います。
または、対応している医療機関であればマイナ保険証の利用でもOKです。

申請書を1枚書いてご加入の協会けんぽに郵送するだけで、すぐに認定証が送られてきます。

限度額適用認定証

全国健康保険協会(高額な医療費を支払ったとき(高額療養費))

[入院費の合計]


ご参考までに、所得区分ごとの自己負担額の合計を表にまとめました。

※差額ベッド代がかからずに済んだので、保険外負担の金額を修正しました。

所得区分 保険 保険(食事・生活) 保険外負担 合計
区分ア 25万2600円 3万6800円 12万9450円3万2950円 41万8850円32万2350円
区分イ 16万7400円 3万6800円 12万9450円3万2950円 33万3650円23万7150円
区分ウ 8万1925円 3万6800円 12万9450円3万2950円 24万8175円15万1675円
区分エ 5万7600円 3万6800円 12万9450円3万2950円 22万3850円12万7350円
区分オ 3万5400円 3万6800円 12万9450円3万2950円 20万1650円10万5150円

所得区分にはよりますが、1ヶ月弱の入院でも20〜4010〜30万円前後と、かなりの金額がかかりますね。

私は11月〜12月にかけて約2ヶ月(50日間)入院予定なので、12月分の請求書もまた来るかと思うと…

・入院費を抑えるポイント

では、高額な入院費を抑えるにはどうしたらよいでしょうか?先ほどお話した高額療養費制度以外でご紹介します。

①できるだけ月をまたがない

高額療養費制度に関するお話です。

同じ日数入院するのでも、月をまたいだ場合と、またがなかった場合では支払う金額が大きく変わってしまいます。
高額療養費制度では、1ヶ月の自己負担額の上限が決められているので、月をまたぐとそれぞれの月について自己負担の上限額を支払うことになるからです。

入院・退院のタイミングは自分でコントロールできるものでもないですが、できれば入院は月末を避け、退院は月初を避けられるとお得です。

②差額ベッド代が安い部屋を選ぶ

大きな病院で、差額ベッド代がかからない大部屋が選べるのであれば、金銭的にはベストです。

ただ、長期入院となると大部屋は気を遣うので場合によりけりでしょうか。

病院にもグレードにもよりますが、差額ベッド代は1日あたり数千円〜数万円と、安いものではないですよね。長期入院であればできるだけ安い部屋に抑えたいところです。

③傷病手当金

傷病手当金についてはこちらの記事でも紹介しています↓

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長期入院だと、有給だけでは足りなくなってしまいます。そんな時には傷病手当金を申請すれば、給与の67%が補償されます。

④医療保険の請求

妊娠中は何があるか分からないので、妊娠中だけでも医療保険に加入していると安心です。
私もこんな長期入院になるとは思っていませんでしたが、妊娠22週ではなさく生命に加入していたのが幸いでした。

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妊娠・出産のトラブルに手厚い保障にしておいたので、今回の入院で100万円近く!受け取れる計算になります。
もし医療保険に加入していなかったら、2ヶ月分の入院費で12月の旦那のボーナスが吹き飛んでいたかと思うと恐ろしいです…

⑤確定申告で医療費控除

私のように高額療養費制度や医療保険の給付金で黒字になった方は対象外です。

医療保険に入っていなかったけれど長期入院になってしまって赤字で…という方は是非利用したい制度です。

「支払った医療費の総額」から、「受け取った医療保険の給付金の額+10万円」を引いた額が医療費控除の額です。ご自身の税率によりますが、この分の所得税が減免されます。

「支払った医療費の総額」は、1年間に家族が支払った分を全て合算できます。

高額になりがちな切迫早産の長期入院ですが、使える制度は最大限活用してお金の心配は減らせるといいですね!

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