妊娠初期のトラブル[側弯症術後の妊婦編]リスクはある?
こんにちは。今回は側弯症手術が原因で妊娠初期に困った時のお話です。
側弯症は特に思春期女子に見られやすい病気ですが、その後の妊娠・出産についてはあまり情報がないのでご参考になれば!
[術後の経過]
くるみは今から5年前、高校3年生の時に思春期特発生脊椎側弯症の後方矯正固定術を受けました。
抜釘はしていないので、現在もチタンのボルトとロッドが入ったままです。(これが慶医に入学したきっかけでした…)
側弯症は背骨が側方や後方にねじれる様に変形する疾患です。側弯症は乳幼児期や思春期の側弯症から高齢者の成人脊柱変形まで、全世代に渡って発症し、生活の質を低下させます。側弯症が重度に進行すると、腰背部痛、肺活量の低下、消化器症状、神経障害などを引き起こし、日常生活に大きな障害を来すようになります。この側弯症は様々な全身に及ぶ原因を基盤に発症し、難易度の高い治療を必要とする患者さんが多くあります。
慶應義塾大学病院側弯症診療センター
ご参考までにくるみの術後のレントゲン画像が出るのでご注意ください。小・中ではコルセット治療→高校でコブ角55°まで進行・手術→術後はほぼ0°です。
術後5年も経つと傷跡もすっかり薄くなって日常生活には何ら問題ないのですが、妊娠・出産となると話は別でした。
[妊娠・出産にあたって注意すべき点]
妊娠・出産にあたって注意すべき点
①無痛分娩は難しい
②自然分娩希望でも病院によっては受け入れ不可
③出産の時いきみずらい?
①無痛分娩は難しい
日本ではまだまだ割合的に少ないとはいえ広まってきた無痛分娩。
無痛分娩では腰のあたりに硬膜外麻酔をするのが一般的ですが、(側弯症に限らず)インプラントが埋め込まれている場合には「対応できない」とHPに書かれている産院が大半です。(固定範囲にもよるのかもしれないので、主治医にご確認ください)
よって、側弯症術後の妊婦は問答無用で無痛分娩の選択肢は外される訳でした。
ただ手術を受けた時に、看護師さんに「この痛みに耐えられたなら出産も大丈夫!」と言われた記憶があって、特段無痛分娩にこだわりはないのでよしとしましょう。
よく、出産の痛みは「手指切断の痛みと同じくらい」と聞きますが、側弯の手術では背中50cm切って筋肉剥がして背骨矯正してボルトぶっ刺して固定している訳なので、まあ出産の痛みも大丈夫だろう!と思っています。(実際どうだったかは出産後にまた)
②自然分娩希望でも病院によっては受け入れ不可
個人的にはこれが盲点でした。私が出産予定の病院は、不妊検査時から通院していたレディースクリニックです。
産婦人科と小児科、内科があるだけで、大きな病院ではありません。
自然分娩なら側弯も特に影響ないだろうし大丈夫だろうと思っていたら…
妊娠9週の検診で、助産師さんと面談している時でした。「自然分娩でも緊急帝王切開になる場合があるが、固定範囲次第では帝王切開の時の腰椎麻酔ができないため当院での分娩はできません」とのこと。
5年前のことで、すっかり自分の固定範囲を忘れてしまっていたので、即答はできませんでした。
仮に腰椎麻酔ができない場合、全身麻酔で帝王切開が可能な近隣の大学病院に転院になってしまうそう。
大学病院だと家から遠いし、金額も上がるし…と焦りましたが、かつての執刀医に確認したところ、固定範囲は被っていないので大丈夫とのこと。ひと安心でした。
脊椎には7つの頚椎と12個の胸椎、そして5つの腰椎がありますが、腰椎麻酔をするのは腰椎の上から2番目・3番目の間くらい。
一方、私の固定範囲は胸椎の5番から腰椎の2番まで。これなら大丈夫でしょうと、現在の産院で受け入れてもらえることになりました。
腰椎麻酔をする時の背中を丸める姿勢は取れないのでちょっと苦労しそうではありますが。
③出産の時いきみずらい?
同じく9週の助産師さんとの面談の時に、「背中丸められないといきみずらいかもね〜」と。
これも固定範囲によると思いますが、腰椎まで固定していると日常生活でもややかがむ姿勢は取りずらい時があるので仕方ないですね。
出産は4ヶ月後なので、実際どうだったかはその時に追記します。
何はともあれ大きなトラブルなく出産を迎えられますように!